「どうして、価値観経営って名前にしたんですか?」
社長・木元に聞いたことがあります。
一字一句を正確には覚えていないけど、たしかこんな感じだったと・・・。
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経営者が押しつけた理念で経営する「理念経営」じゃなくて、
みんなが大切にしているもの(価値観)を仕事に持ち込んだうえで
何を目指すかを自分たちで決めるチーム運営をしたい。
だから、価値観経営。
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価値観経営。
正直、最初目にした時「なんのこっちゃ」と思いましたが、
今の私の解釈だと次のような話になります。
普通、何かの志を持った人が会社を起こす。
そしてその志に共感した人が集う。
人数が増えると、その志への共感ではなく、
「スキルが生かせる」「給料がいい」「転勤がない」
「海外で働く道がある」「フレックスで働ける」
などなど、志ではない部分で判断し集う人が現れる。
だから、ほとんどの会社は「経営理念」を掲げる。
経営理念それ自体は悪くない。
そこにはきっと創業メンバーの想いが込められているから。
しかし、あとから経営理念を「読んだ」人たちには
その想いはなかなか届かない。字面で想いは届かない。
だから「読んだ」人たちにとって経営理念は
誰かが決めた、与えられたものでしかない。
自分のものではない、押し付けられたものにしかならない。
そこに経営層と現場とのギャップが生まれ、組織運営に苦しむ。
会社の進む道をどうすればメンバー全員で共有できるか。
改めて決め直せばいいじゃん、みんなで。
みんなで決める、となったときに必要となるのが、
「そもそも、みんな何を大切にして生きてる?」っていう情報開示。
みんなの価値観・人生観を出し合って、
そのうえで共感しうるひとつの指針を言語化します。
せれくとではその指針を「究極の一点」って呼んでます。
人の価値観や人生観は変化します。
結婚したり、子どもを授かったり、親を亡くしたり。
いろんな環境の変化は、内面にも影響を及ぼします。
また、チームには新しいメンバーが加わることもあります。
新メンバーの価値観がチームに新たな影響を与えることも当然あります。
なので「究極の一点」も都度見直しが必要です。
せれくとでは、半年に一回、全体ミーティングで話し合っています。
こうやって手間暇かけながら
「自分たちで決めた、自分たちの道、有効期間は半年」
という道標を定めているおかげで、仕事に対する所有観が強まり、
主体的に責任をもって仕事に取り組むことができる環境になります。
みんなが内に秘めいていた「大切なもの」を開示しているので、
本音が語れる心が打ち解けた状態が生まれます。
ところで、自分の価値観や人生観と、メンバーですり合わせた「究極の一点」が
どうしても相容れない状態になったときはどうすれば良いのでしょう?
そのときは、会社を去る、しかないです。
でも、それはその人の「大切なもの」を守るためには必須。
その会社には共感者がいなかったとしても、
別の会社には同じような価値観の人がきっといます。
そんな人たちと次に出会えば良いのです。
いまの就職の標準的な姿は、
まず会社という箱があって、そこに「自分を封印した人」たちが
生活のため、給料のため、と我慢しながら入ってくる。
そんなイメージではないでしょうか。
お金を稼ぐ手段だから、何があってもしがみつくしかない、と。
それに対して、
「自分の価値観を体現するためにはこんな仕事がしたいんだ!」
って叫んだ人たちが、
「あ、オレも!」「それ、私も!」
と共感しあって集まってプロジェクトが動き出す。
プロジェクトがひとつのゴールにたどり着いたら、
メンバーチェンジするなり、解散するなり自由。
会社という箱に縛られることはない働き方。
それが私が思っている「価値観経営」です。
木元の口癖のひとつ。
「せれくとをもっと辞めやすい会社にしたい」
これも字面だけ捉えると大いに誤解を生むところですが、
背景としては、上記のようなことが含まれていると思うのです。
木元の口癖をもうひとつ。
「『会社が・・・』っていう言葉を世の中から無くしたい」
会社っていう誰でもない人格を作ることで、
誰も責任を負わない文化がはびこっていることを憂う言葉だと思っています。
そんな「価値観経営」を自社でやりつつ(うちも、まだまだ成長中・・・)、
他社様のお手伝いをするときの土台にもしている。それが「せれくと」です。
価値観経営、ステキだなぁ~。
でもこれで「毎日がバラ色~♪」ってなるかというと、そうでもない(笑)
自分の価値観や人生観を仕事に持ち込んでいるので、
仕事とプライベート、みたいな境目を失ってしまうのです。
分かりやすく乱暴に言ってしまうと、
「起きているあいだ、ずーっと仕事してるみたい」な感覚になります。
自分の価値観優先の結果だから納得はしてるし、
そもそも個人的には元・経営者なので19年ずっとそうでした。
あ! 価値観経営に惚れる土壌があったってことかもしれませんね。
価値観経営、なじめないとキツイかも・・・。
私が初日に社長と勘違いした但馬がよく口にする
「働きがいはあるけど、働きやすくはない」
世の中すべて陰と陽でなりたっていると考えるならば、それもまた腑に落ちる。
価値観経営の優しさと厳しさの両面を過不足無く伝える名言だと思ってます。
以上です♪
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