前回の投稿で
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事務所の壁一面には『せれくとの基礎知識』ってのを貼り付けてます。
最初これを見たときは『こわっ・・・』ってドン引きした記憶が
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って書いたところ、多方面からお叱・・・じゃなく反響を頂いたので
いまなら理解できる素晴らしい「せれくとの基礎知識」を
シリーズでご紹介していきたいと思います(^^)
第1回目は「心理的安全と責任の共有」のマトリクス、です!!
これを学んだとき、私は自分が飲食店をやっていたときに
どうして業績が頭打ち(伸びが緩やか)になっていたのかを知ることができました。
このマトリクスでは、縦軸に「心理的安全」、横軸に「責任の共有」をとり、
それぞれの度合いの高低で4つのゾーンを描き出しています。
各ゾーンはこのチームが「どんな状態を作りやすい環境」となっているか、を表します。
縦軸の「心理的安全」は
「高」にいくほどメンバーが本音を出し合える
「低」にいくほどメンバーが本音で語り合えない
ことを表しています
横軸の「責任の共有」は
「高」にいくほどチームの責任をシェアしあえている
「低」にいくほどチームの誰かに責任が偏っている
ことを表しています
では、ゾーンを順に見ていきます。
まず左上「心理的安全が高く、責任の共有が低い」
このゾーンは『甘えが出やすい環境』です。
なんでも言いあえて風通しが良く、チームも仲が良くて
きっと全体の雰囲気も良いのでしょうが、
では誰がチームの目的に対して責任を負うのか、
そこが希薄なので事業としての成果に結びつかない。
もしくは責任が特定の少人数に集中するので、
全体のパフォーマンスがうまく引き出せない、という状態です。
実は、飲食をやっていた頃の私は、
当初いわゆる『ブラック』な環境しか作れていませんでした。
なので、そこをなんとかしようとして、
雰囲気重視路線に切り替えていった結果、
「雰囲気は最高! でも実力は伸び悩み・・・」みたいな
状態に陥ってしまってたんですねー
【あ~なるほど「甘えが出やすい環境」になってたのか・・・】
ということがストンと腹落ちしたのを覚えています
念のため付け加えておきますが、
その頃のメンバーがダメって言いたいわけではありません。
むしろ、経営者の責任として
・きっとあの素敵なメンバーだったら、もっといい仕事ができただろうなー
・うまく相互作用が働いてたら、みんなのエネルギーをもっと引き出せただろうなー
ということを感じています。
たぶん私がひとりよがりに仕事をし、
みんなにはそれを「手伝って」もらってたんだと思います。
チームで考えて、チームで決めて、チームで仕事をする。
それが、どういうものなのか。
当時の私と、いまの私で、解釈がだいぶズレているのが分かります。
あ、ずいぶん長くなってしまいました・・・。
ゾーンの特性を見ていくんでしたね。
左下「心理的安全が低く、責任の共有も低い」
このゾーンは『無関心を生みやすい環境』です。
本音が言えない。
責任も分けてもらえない、つまり仕事を任せてもらえない。
こうなると誰かの指示で、黙々と機械のように動くしかなくなります。
「いまの姿は本当の自分じゃない。仕事だから仕方なく・・・」
「どうせ言われたことをするだけ」
「失敗しても上司(指示した人)の責任」
などと思いはじめ、仕事に対して無関心になっていく。
こうなると本来持っているはずのチームパフォーマンスは発揮されず
誰か特定の人の頑張りだけに頼るチームになってしまいます
右下「心理的安全が低く、責任の共有は高い」
このゾーンは『不安・恐れが出やすい環境』です。
本音は言えない。
よくわかりません。むずかしいです。
もう少し時間がかかります。なんとなくやりたくない。
実は本音を語るっていうのは「自分のできない」を開示することでもあります。
人はそれぞれ違って当たり前なので、
あることが「できる」人と「できない」人がいて当たり前です。
その差異をチームにオープンにし、それぞれの特性にあわせて
業務を振り分けたり、挑戦や学習の機会を提供したりできると良いですね。
でも、このゾーンでは本音が封印され、
さらに「この目標値まで全員がんばるぞー」と号令が掛かります。
(そこ、私には無理なのに・・・)
(失敗する自信しかない・・・・)
(あの人と同じノルマが達成できる気がしない・・・)
(また「なんで、できない?」って怒られそう・・・)
その人の心情や技能を顧みずに「組織の理論」で管理・統制が図られる。
そんなチーム状態。ザ・根性論運営とでも言いますか。
これ、ついこのあいだまで割と多数派を占めた会社の姿だと思うのは
私だけでしょうか?
そしていよいよ右上「心理的安全が高くて、責任の共有も高い」
このゾーンは『学習・充実・才能開花が進みやすい環境』です。
誰もが「できる・できない」「好き・嫌い」を公言し
それを誰もが「良い・悪い」のジャッジを挟まずに受容する
そのうえで、自分にとっての「できない・嫌い」を誰かに依頼する
自分も誰かの「できない・嫌い」を引き受ける
こうやって互いが補完しあうことで、チームとしては「できること」が広がる
さらに、周りには自分にとっての「できない・嫌い」を、
できる人・好きな人がいるのだから教えを乞うこともできる。
「できる・嫌い」を克服するチャンスも転がっているのです。
こうやって、
自分が持つ価値を提供する
もっていない価値は誰かにお願いする
新たに獲得したければ誰かに教わる
という支えあいの連鎖がうまれた状態を「協働」って呼んでます。
そして、その協働を果たした先、図で言うとマトリクスのさらに右上あたりに
その協働の果実を届けたい「お客様」がいる、というのがせれくとでの共通認識です。
「協働」で働けるチームでありたいですよね(^^)
最後に。
人生の学びに終わりがないように「協働」もゴールではありません。
たどり着いた!って思った瞬間、次の視界が広がってまたチャレンジがはじまる。
なので、マイルストーンみたいなものだ、って思っています。
ですので、これが答え・正解!っていう結論にはしません。
せれくとメンバーは、こういう考え方「基礎知識」をいろいろ組み合わせながら、
日々、自らをバージョンアップするべく取り組んでいます。
という紹介でした(^^)v
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
では、また次回の「基礎知識」でお会いしましょう!!
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