2020年3月2日月曜日

欠乏マインドと豊かさマインド

私が飲食業界に足を踏み入れて最初の頃(当時の時代背景もあるでしょうが)、近所で新規出店する際に「お前んとこの客奪ってぶっ潰してやる」と息巻いている人もよくいたもんです。市場競争原理と言えばそれまでですが、どうも私はそういうケンカ腰の考え方が苦手でした。だいたいそういう「威勢のいい店」は数年で潰れていってましたし。自慢じゃないけど、ほのぼのと営業していた私は19年(^^)v

今でも強烈に覚えているエピソードをもうひとつ。
当時「飲み放題・食べ放題」を始めたばかりの近所の店長さんと喋ったときのこと。
「どんなメニューなら短時間で腹いっぱいになって飲み食いできなくなるか。そのために試行錯誤してるよ」って自慢気に語るわけです。自慢げに!!
その店長さん、私よりよっぽど腕が立つ人なのに、そんな気持ちで料理を考えているのかと思ったら悲しくなりました。自分ができることを精一杯提供して喜んでもらおう、という気持ちを微塵も感じなかった。見えたのはただ「どう搾取してやろうか」というイヤ~な感情。その後このお店も長くは続きませんでした。

たぶん、こういうのを「欠乏マインド」っていうんだと思います。

「欠乏マインド」に陥る根本理由は「リソースは有限だ」という決めつけです。その結果奪い合いになるし「人の足を引っ張る」ことを考える人も現れる。本当に「リソースが有限」なら人の取り分を減らすことも自分にとっては効果的だからです。
でもコレ「自分が所属している組織(や環境)」を退化させていくってことですよね。
短期的に自分が「勝ち組」になっても、その組織や環境がダメになったら元も子もない。

やっぱり「持ちつ持たれつ」だと思うんです。
先の例でいうなら、店同士も、店とお客様も「持ちつ持たれつ」。
他店も含めて繁盛する店が増えれば街が賑わう。回遊する人が増えれば結果自店の客足も伸びる。
本当に喜んでもらえる仕事を誠実にやっていたなら単価も上げられるし、飲食業界全体としても極端な価格破壊を起こさないで済むはずです。


せれくとに来て「豊かさマインド」っていう言葉と出会いました。

リソースは「誰かが用意してくれたそこにあるもの」だけが有限にある、のではなくて、互いに補い合うこと、自ら努力することで無限に生み出せるもの、っていう考え方。
誰かから奪って「勝った」とかいうんではなくて、ともに共通のゴールを見つけて一緒にそこを目指すっていう考え方。新たな価値の創造ができるんだよ、っていう考え方です。
なんだか心があったかくなりません?

ちょっとだけ視点を変えれば手に入る優しい気持ち。
その分、他者への価値貢献を実現させていく自分へはちょっとだけ厳しい気持ち。

勝ち負けを競いたいなら他社とではなく、昨日の自分と競争すればいい。
さすがに昨日の自分に勝つために、昨日の自分の足を引っ張るなんてことはタイムマシンでもない限りできませんから(^^;;

というわけで、いま「豊かさマインド」が私のイチオシワードです♪



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